日本ダニ学会会員の皆様へ
ABS(Access and Benefit-Sharing)の対象範囲をDNA塩基配列情報に拡大することは、生命科学研究における過度の負担となるため、このことによる研究活動の停滞を防ぐための署名運動に協力ください
日本分類学会連合のABS問題対策ワーキンググループから、ABS対象範囲を塩基配列情報(DNAデータベースなど)に拡大するとの中南米・アフリカ諸国の主張に対する「DNAの塩基配列の自由な利用が阻害されることによる研究活動の停滞を防ぐ」ために、研究者向けの署名活動への協力依頼の下記メールが担当者を通じて当学会へ届きました。
遺伝資源に関する利益配分の問題が従来から検討されていることはご存じのとおりです。これまでは生物資源へのアクセスや利用が問題とされ、対策されてきましたが、今回の主張はそれをさらにDNAデータベースの利用に拡大するというもののようです。DNAデータベースの自由な利用に支障をきたすようであれば、さらに幅広い研究において多大な影響が懸念されます。したがって、この問題は実際に利用している科学者の意見を十分に検討した上で、妥当な対策を策定してもらう必要があります。これについて、ドイツの学術コミュニティーがopen letter(https://www.dsiscientificnetwork.org/open-letter/)を準備して上記署名の呼びかけを行っているとのことです。
この流れは、当学会の多くの会員の研究にも直接的に負の影響を及ぼしかねないものです。そこで、評議員会にお諮りし、日本ダニ学会事務局として、学会会員の皆様に署名への参加と中南米、アジア、アフリカなどの知り合いの研究者への呼び掛けのご協力をお願いすることとなりました。
重要な問題であり、日本分類学会連合からの下記メールと添付ファイルをご覧の上、ぜひ署名活動(https://www.dsiscientificnetwork.org/open-letter/)にご協力いただければ幸いです。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
日本ダニ学会 会長 刑部正博